『アナタさ、』


お礼とか、ちゃんと言うんだ…
律儀だしね?

なんだ、冷たい人だと勝手に思ってたけど、そうでもないじゃん。
ただの勘違いか…
今まで失礼なことしてたな。

なんて、申し訳なく思いながら、彼の背中をみていた。


…ん?
寝てない?
起きて、何かしてる?

「何、してるの?」

問いかけると、彼はゆっくり私の方へ振り返った。

「英語、予習」

…単語…

ん?英語…?

「何かあったっけ?」

「…次、内容読解」

…また単語…

え、待って、内容読解?
それって全員に回るやつだよね…

やばい!
私もやらなきゃ…

慌てて机の中から英語のテキストを取り出した。


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