『アナタさ、』



…あれ。
そういえば蓮見くん、お昼いつもどうしてるんだろう。

自分の席の方へ目を向けた。
その前の席には、顔を伏せた彼がいた。

…まだ寝てるみたいだ。
起こした方がいいかな。

「どこ行く?」

立ち上がると、蓮に腕を掴まれた。
その手を見ていると声が聞こえた。

「蓮見くん!よかったら一緒にお弁当食べない!?」

「食べよう食べよう!」

…あ、なんだ。
私が行く必要なんてなかった。

「あ、えと、何でもないよ。
食べよう」

「…あぁ」

…なんだろうな。
胸がチクチクするんだ。

病気かな…
そうだったら困るな…

そうじゃなくても…困る。


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