『アナタさ、』



「あ、そういえばね!
駅前においしいケーキ屋さんできたんだって!
蓮甘いもの好きだったよね?」

「まぁな」

「一緒に行かない!?」

私が目を輝かせていうと、蓮は飲んでいたイチゴオレを口から零していた。

「ちょっと、汚いよ蓮」

「あぁ…」

持っていたハンカチをスカートのポケットから取り出し、口元と服を拭いた。

蓮は終始ぽかんとしていた。

「だってさ、このみちゃんは甘いの好きじゃないし…」

「…あ、あぁそうだよな…うん、そうだな、そういえばな…うん…」

「?」

いきなり焦り出したかと思えば、顔を真っ赤にして、そして落ち込んでいる蓮。

…忙しいなぁ。
蓮こそ百面相じゃない。


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