『アナタさ、』


「遅かったな」

「あー、ハル!やっと帰ってきた!」

教室に帰ると、いつのまにかこのみちゃんも帰ってきていた。

「呼び出し?」

「うん、そう。木戸先生から、ね」

「何か言われた?」

「…ううん、何でもないよ!」

私は笑った。
そうでもしないと、泣き出してしまいそうだったから。

「………」

蓮は険しい顔をしていた。
…この子は小さい頃から鋭いんだよね…

でも、あまり深入りはしてこないから、安心してる。
…二人きりになったりしたら聞かれたりするんだけどね。

「え、二人とももう食べたの!?」

「うん、お腹空いてたからね」

そんなぁ〜…
私もあとパン一つだけだけど。

「もうすぐ昼休み終わるぞ」

「うそ!?急いで食べなきゃ!」

私はコーヒー牛乳片手にパンを詰め込んだ。

そうして昼休みの終わりのチャイムが鳴った。

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