『アナタさ、』
…いけない。
これは私の運だから、仕方ないんだ。
私は二人にひとまず別れを告げて、自分の机を移動させた。
サラサラの黒髪を風になびかせて、机に伏せる蓮見くん。
長めの前髪で顔は隠れてて見えないけど、あれは寝ているはず…
チラッと木戸先生に目を向けると、寝ている生徒がいるということに気づいていないらしく、胸を撫で下ろした。
あまり音を立てないように机をその後ろに置き、席について窓の外を見た。