『アナタさ、』


なんだか少しくすぐったく感じて、私は何も言わずに笑みを浮かべた。

…なんだ、やっぱり悪い人じゃないんだ。

なんて思っていると、彼は首をゆるりと傾げて怪訝そうな顔をした。

…前言撤回。
悪い人ではなさそうだけど、いい人でもなさそうだ。

彼はそのままなにも言わずに顔を伏せた。

そういえば彼は、いつも寝ているような気がする。
前髪で顔は隠れているし、彼の顔をまじまじとみる機会はあまりないんじゃないか、って思うんだけど…

彼は、モテている。





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