ういんく☆killer
美樹が今度は私に向かって手を振り上げた。
(………っ!!)
咄嗟に目を瞑ったけれど、痛みは感じなかった。
不思議に思い、ゆっくりと目を開けると、真っ青な顔をした美樹が、地面に膝をついていた。
「ゔっ……、あ、ぐぐぐぁ…」
声にならない音を出して、苦しむ美樹。
「あ、亜姫…?」
隣を見ると、下を向いていた亜姫が美樹を真っ直ぐに見つめている。
そんなわけ無い、と思いながらも、私は必死に亜姫に抱きついた。
「亜姫、やめて!やめてよ!ねぇ!」
亜姫は、ゆっくりとこっちに顔を向けた。
その、凍りつくような瞳を見た私は、一瞬、呼吸を忘れそうになった。
「璃、姫。ごめ、ごめんなさ…」
亜姫は、消え入るように呟き、気を失った。