秘密のお姫様【完】
そして迎えた放課後。
「美那、莉麻またね〜」
「「瑠奈、バイバイー‼」」
ヤバイ!!
急がないと、楽屋入りに間に合わない!!!
時計を見て廊下を猛ダッシュするあたし。
今日は仕事という事で校門まで迎えに来てくれた車に滑り込む。
「……ハァッ……ハァッ………」
ひ、久しぶりにあんなに急いだかもしれない………。
「お疲れ様でした、瑠奈様」
夏希さんの声に頷くしか出来ない。
「お嬢様の猛ダッシュのおかげで、楽屋入りには間に合いますよ」
………良かった。
これで間に合わなかったら、あたしがダッシュした意味が分からないよ。
呼吸を整えながら、ホッと息をつく。
それからあたしは遅れる事もなく楽屋入りを無事に済ませる。