秘密のお姫様【完】
「お、お姉ちゃん、お兄ちゃんおかえりなさい。」
「ただいま……ってそんな事よりもどうなの⁉」
「いっぺんに話されてもあたし聞き取れないから、一回落ち着いてよ?」
「「ご、ごめん」」
少しして、お姉ちゃんが話し出した。
「理事長から聞いたけど、今日の入学式の新入生代表挨拶を瑠奈がしたんでしょ?」
「うん、したよ」
「だから、失敗しないでちゃんと出来たのかなあって」
「………分かんない、覚えてない」
ポツリつぶやく様に返す。
まさかお姉ちゃん達に聞かれるとは思ってなかったな。
でも、緊張しちゃってパニックになってたことぐらいしか覚えてないや。
自分が何を話したのかも思い出せない。
「そう、ごめんね変な事聞いて」