秘密のお姫様【完】



あたしが逸らす事が出来ないで居ると。





ーーースッ。





逸輝が顔を背けてあたしから視線を外してしまった。





逸輝に逸らされた事に少しだけ胸がチクッとした。




「成宮さん?どうしたのボーッと他のクラス見て」




「…………っえ⁈ご、ごめん。何でもないよ‼」




………そうだった、藤田くんと話してたんだ。





クラスで行動してるんだから、しっかりしないと‼





そう考えて、あたしは莉麻達のところへ行って逸輝を気にしないようにしてた。





…………そうしていたはずなのに。





あたし達のクラスのすぐ後に来た逸輝のクラスは、当然次の場所にいっても後にくるわけで。





逸輝の事が視界に必ずはいってしまう。





久々に逸輝の事をしっかりと見たからか、さっきからずっとドキドキしっぱなしのあたしにはこの状況が辛い。





それだけだったらまだ良かった。





……ホントはよくないけどさ。




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