秘密のお姫様【完】
「……分かった、でも無理するなよ?」
逸輝にコクンと頷く。
それから、また歩き出してルートの半分を過ぎたくらいで。
ーーーガサガサッッ!!
ーーービクッ‼
音のなった方に恐る恐る視線を向けると。
ーーーヒュンッ!!!
目の前に何かが突然飛び出してくる。
「キ、キャァァァァァ!!!!」
あたしは反射的に逸輝に抱きつく。
逸輝に抱きつくと、ピシッという固まるような音が聞こえた気がした。
「……もぅ、いやぁ……‼」
「……」
「うぅ……ヤダよぉ‼まだ死にたくないーーー!!!」
「………死なないから安心しろ。それに、もう居ないぞ⁇」
そう言うと、逸輝は泣き喚くあたしの頭を撫でて落ち着かせようとしてくれた。
しばらくあたしの頭を撫でてくれた逸輝。
「……落ち着いたか⁇」