秘密のお姫様【完】
「…………うん。あ…ご、ごめん逸輝」
うわー、あたしなんて事してたんだろう。
いくら怖かったからって逸輝に、自分の好きな人に抱きつくとか……。
1番やっちゃいけない事をしでかした気がする。
…………あぁ、考えただけで恥ずかしい。
あたしが激しく自己嫌悪に陥って居ると。
「……やっぱり戻るか?」
……もしかして逸輝、あたしの様子を見て怖がってると勘違いしたのかな⁇
「……それだけは絶対に嫌だ。あと少しだから頑張るもん」
あたしの事を気遣って逸輝はそんな事を言ってくれるけど、勘違いなんだよ。
……それに逆に怖いけど、ここまで来ちゃったら後には引けないんだって。
でも、もう絶対にどんなに怖い事があっても逸輝に抱きついたりしたらダメだ。
「……そんなに怖がってるのに最後まで行くなら、手繋いでてやる」