秘密のお姫様【完】



「………え⁇何て言ったの逸輝」




「…………だからほっとけねぇんだよ」




………何が放っておけないのでしょうか⁇





「放っておけないの⁇」




「どっか行きそうでフラフラしてて、こっち来たと思ったら誘惑するだけしてそれに気付いてないし」




………一体何の事を言ってるの⁉





え、ていうか誰の事を言ってるの⁇





「なのに、誰よりも何よりも自分の事よりも相手の事ばっか心配して、俺の方が悪いのに自分が悪いって言い張って」




「……え、……と。それって……」




「勝手に居なくなったと思ったら迷子になってて、コッチが必死で探したと思ったら呑気に歌なんて歌ってて」




「………う、で、でも……」




「でも、そうやって平気な振りして本音を隠して、やっと出したと思ったら、大泣きして」




「………あぅぅ………」




「やっと戻れると思ったら、こうやってつまずいて転びかけて、怪我しそうになってるし」




…………始めのはきっと違うけど、途中から完璧にあたしの事を言ってるよね。





もう、申し訳なくて逸輝の顔が見れなくて俯く。




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