秘密のお姫様【完】
そうそう、あたし達の止まってる部屋は410号室。
つまり、4階にあるのです。
そしてロビーと出入り口は2階にあるの。
だから階段を使って降りていかなければならない。
どうにかロビーまでは来ることが出来た。
周りを素早く見渡して誰も居ない事を確認して外に出る。
警戒しながらどうにかホテルの裏に来ると逸輝はもう来て居た。
まあ、あたしがただ単に遅かっただけなんだけどさ。
「……瑠奈、お前はここに来るまでに何分掛かってるんだよ」
「え、えへっ」
「遅すぎるんだよ」
「てへっ。……ごめんなさい」
ふざけて「てへっ」なんてやったからかかなり不機嫌になった逸輝。
腕時計で今の時間を確認すると22:45。
………ヤッチマッタ。
ここに来るまでに15分も使ってしまった。
「ち、ちなみに逸輝は何分にここに⁇」
「22:10には居たけど⁇」
「そ、そうですか……」
………22:10って先生が点呼に来た時間だよ‼
え、何。つまり逸輝はもう30分近くここで待っていたと⁈
うわぁ………それはこんなに機嫌も悪くなるわ。
なんて呑気に考えて居たら。