秘密のお姫様【完】



「さて、こんなにも遅れた理由を聞かせてもらおうか⁇」




「い、逸輝……」




「まさか、忘れてましたなんて言わないよな⁇」




なんて真っ黒な笑顔で言う逸輝の前にあたしは全てを言うしか無かった。





「………それでこんなに遅くなったと⁇」




「……うぅ、そうですよ」




さっきから逸輝が怖くてまともに顔が見れない。





「まあ、そう言う事なら良いか」




………なんとか許してもらえた様です。





「……そういえば、なんでわざわざ夜に呼んだの⁇」




「んー、別に⁇特に理由は無いけど⁇」




「………はぁ、あたしがハラハラしながらここにきた意味ないじゃない」




「ただ、俺は瑠奈に会いたかったけどな」




「………な、何言って……!」




「別に普通だろ⁇……瑠奈は俺に会いたくなかった⁇」




「そ、それは………」




「………会いたくなかったんだ瑠奈は」




なんて。





しゅんとされて言われたら。





「………会いたかったです」




………って、言うしかなくなるでしょう‼





なにあれ⁉





しゅんとしてる逸輝が捨てられた仔犬みたいだったんですけど⁉





あたしが、小さい声で返したのを聞いたらめちゃくちゃキラキラした笑顔を向けてきたんですけど。





破壊力がとんでもなかったよ⁈





心臓がめちゃくちゃドキドキしてるんですけど‼




< 361 / 487 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop