秘密のお姫様【完】
ーーー6月。
中間テストが終わって5日が経ったある日の1時間目。
「今日はテストを返すぞー‼」
なんて先生の一言が事の発端だった。
あの時は全く気にしてなかったけど。
名前の順にテストが返却されていく。
美那は1番始めに返されてた。
美那は「綾野」って苗字だからね。
それからちょっとして莉麻。
佐山って苗字なのに莉麻は出席番号が13番なのだ。
あたしは成宮で「な」だけど出席番号は、26番なんだ。
だから莉麻からもう少し後の方。
そして、あたしの順番がやってくる。
先生の所に貰いに行くと、「よく頑張ったな」とお褒めの言葉も貰った。
全員のテストを返し終わると。
「今回はかなり全員頑張ったな‼」
「先生、クラスで1番って誰ですか⁇」
なんて藤田くんの一言が決定的だった。
「このクラスの1位は成宮だな。ちなみにこの点数なら学年でも1位だと思うぞ」