秘密のお姫様【完】
そう言ってあたしから馬鹿野郎兄貴を引き剥がしてくれたのは。
「………逸輝………」
逸輝に引き剥がされる形であたしは抱きしめられているのですが。
馬鹿野郎な兄の隼人は逸輝をめっちゃ睨んでおります。
そして、逸輝さんまで思いっきり睨み返しております。
………一体何故⁇
バチバチと2人の間に火花が飛び散っている処に。
「ル〜ナ〜ちゃーん、お迎えに来ちゃいましたよーっと。ってあれ⁇」
なんて言いながらの、コレまたと〜っても呑気なお姉ちゃんが登場。
「なーんか、凄い事になってるわねーってあたしKY⁇」
お姉ちゃん、KYでも良いからこの空気どうにかして下さい。
あたしが口を突っ込んだら明らかにマズそうなこのピリピリしたの。
なんて口には出せそうにもないから心の中で吐き出していると。
「KYな事しちゃったついでにもう一個空気読まない事して帰るわね〜」
誰に言ってるのか全く分からないけどお姉ちゃんはそう言うと。
「ルナちゃんは貰っていきまーす♪」