秘密のお姫様【完】
「瑠奈ちゃん完全復活♪」
笑って皆に宣言する。
「……それにしてもなんで後ろから⁇」
「ん〜、驚かせたくなったから」
美那にサラッと返す。
それよりも逸輝からの視線が痛い。
痛いって言うか最早突き刺さってる。
「瑠奈、今日は随分とギリギリだったんじゃないの⁇」
莉麻はよく分かってるようで。
「確かにギリギリだったね〜。のんびり歩いて来たから」
そう言ったら何故か滑る莉麻。
別に変な事言ってないよね⁇
「……そうよね、瑠奈には通じないのは良く知ってるわ」
「何が⁇」
「……もう、何でもないわよ」
そうなの⁇ま、いっか。
「瑠奈、逸輝くんに何にも言わなくていいの⁇」
コソッと美那が気を遣ってくれるけど。
「……今、話し掛けたら授業に出れなくなる」
「……なるほど」
美那にこっそりと言えば納得したみたいで苦笑い。
「逸輝くん、ずっと不機嫌だったみたいだよ⁇」
「なんかさっき海斗くんが言ってたね」
ずっと不機嫌で面白いって。