秘密のお姫様【完】
…………時間は早いもので。
あっという間に放課後になってしまいました。
因みに逸輝とは朝のあれ以来今日はまだ会ってません。
休み時間は休んでた分のノートとかを見せてもらったりして。
昼休みはお姉ちゃん達に呼び出されたり、夏希さんから電話がかかってきたりして。
私の休み時間は殆ど潰れたので会ってません。
というか、会えてませんって言った方が正しいかも。
今も先生に用事があって職員室に行ってきたんだけど。
まあ、休み時間が終わって教室に戻ってくると必ず美那か莉麻に。
「逸輝くんが瑠奈の事探してたよー⁇」
「さっきまで瑠奈の事探して教室に来てたわよ⁇」
なーんて言われたけど。
だから、ちょっとだけこれから逸輝が来た時のことを考えると怖いです。
流石に今度は確実に会えるようにしたかったらしく。
私は逸輝からメールで『絶対に教室にいろ』と言われてしまいました。
なので大人しくしてる訳ですよ。
逸輝に何言われるか分かんないし、もう、会ったら会ったで怖いし震えてるけど。
「あら、今度は逃げないのね瑠奈⁇」
「え、なにそれ⁇」
莉麻に聞き返すと。
「今日は瑠奈が休み時間の度に姿を消したじゃない⁇」
「え、まあ。うん」
姿を消したっていうか。
まあ教室には居なかったけど。
「それで逸輝くんが『アイツ俺から逃げてんのか⁉︎』って言ってたから」
あー、なんか分かったわ。