秘密のお姫様【完】
「んー………逃げてはいなかったんだけどねぇ⁇」
お姉ちゃん達に呼び出されたりしてただけだもん。
あ、ノート借りてコピーしたりもしたか。
後は、先生に質問しに行ったりしてただけなんだけどなぁ。
「端から見てても逃げてるように見えて面白かったわよー⁇」
ケラケラと笑いながら莉麻に言われてるのを見ると相当だったんだろう。
すると。
………ブーッブーッブーッ。
「うわ、お兄ちゃんからだ」
ケータイのディスプレイにはお兄ちゃんからの着信。
出るのが嫌で暫くケータイとにらめっこ。
それでも鳴り止まないバイブにあたしが折れた。
「………あーもう‼︎なんなの⁉︎」
とりあえず、教室のベランダに出て電話に出る。
ーーーピッ。
「もしもし⁇お兄ちゃん何の用⁇」
『あ、瑠奈〜!!!何でなかなか出てくれないんだよぉ〜』
………電話に出た途端にこれだもん。
だから嫌なんだよお兄ちゃんの電話。
「………用件は何⁇」
『なかなか出てくれないから教室まで迎えに行こうとしてたぞ‼︎』
あたしの質問は完全にスルーしてなんか喚いてる。