秘密のお姫様【完】
「頭は打ってないよ。ついさっきまで普通だったし」
「じゃあ、どうしたの⁇」
うーんと……そうだっ‼
「莉麻が好きな歌手の新曲がそろそろ出るよねって話をしてたら、突然こうなったんだよ」
うん、我ながらいいかも。
「そうゆう事ね。全く莉麻ったら……朝からお疲れ様瑠奈」
そう言って美那はあたしの頭を撫でてくれる。
撫でられながら、今度ちゃんと美那に話そうとあたしは少し痛む良心に誓った。
美那と2人でまだニマニマして可笑しい莉麻を連れて行こうとする。
「あ…」
突然声をあげた美那に「どうしたの⁇」と聞こうとすると、女の子達の歓声でかき消えてしまった。
『逸輝様ー‼おはようございますぅ〜』
後ろを振り返ってみると、沢山の女の子達に囲まれている王子がいた。