秘密のお姫様【完】
そうこうしながら3Fまで来た。
廊下を歩いていると、なんとなく人の気配がするのに気が付いた。
ーーーーグイッ!!!
「うわぁっ⁉」
突然誰かに腕を掴まれて何処かに連れ込まれる。
ーーーーガラガラッ‼
「ち、ちょっと離して下さい‼」
何処かの部屋に入れられたあたしは大きな声で抵抗しようとする。
相手を睨む様にみると、フッと鼻で笑う様にそいつはあたしを見た。
そこで気が付く。あたしを連れて来たのは偽王子だという事に。
良かったぁ、変な人じゃなくて。
えっ⁇安心するとこ違うって?
……いいんですぅ‼気にしないで下さい‼
「……ねぇ離してよ」
気が付いたら、またあたしはこの偽王子と壁に挟まれる様な格好になっていた。