秘密のお姫様【完】



「……悪魔」




そう聞こえないくらいの声の大きさでつぶやいたはずなのに。





「誰が悪魔なのかな?」




ものすごく笑顔な悪魔……いや、死神が降臨しておりました。





表情は満面の笑みを浮かべているのに目が笑ってないぃ!!!





「………ヒィ‼ご、ごめんなさい‼」





そのあまりの怖さにあたしは半泣き。





「これからは逸輝って呼べ」




まだ目が笑ってない笑顔でそう言われる。





「……はぃ‼呼ばせて頂きます!!!」




コクコクと頷く。これで大丈夫だと思っていたのに。





「じゃ、呼んで」




「……へ?」




何を言ってるんだこの人は。





「だから、逸輝って呼んでみろよ」




「い、今ですか⁉」




「そ。今、ココで逸輝って言えよ」




この悪魔はとことんあたしをいじめたいらしい。




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