発展途上の王国
火傷しそうなほどの深いキスがわたしを襲って、
立っていられなくなる。
わたしが感じるポイントを知り尽くしている夏代くんは男で、
子供だと思ったことを訂正しなければならない。
「わたしは、甘くない、って」
「そう? ケーキみたいだよ。このケーキは、なくならないから、いいね」
息継ぎの合間に交わす会話は切れ切れで、
酸欠状態になる。
思考が停止し始めてしまう前に、
わたしは辛うじて保っている理性をフル動因させる。
夏代くんは病人なのだ。
「カレー食べて、ゆっくり休まな、いと。まだ熱、ある、でしょ」
「あるかも、しれないけど、今はサナのほうが、熱いよ?」
特にここと夏代くんの手はわたしの下腹部を捉えている。
「そんな手つきで、触られたら、だれ、だって、熱くなるっ」