恋を始めたのんちゃんは。
新しいクラスになって初めての昼休み、私は教室で友達と喋ってた。
新しいクラスのこととか、色々。
そしたら、小山を含めた男子たちがその会話に混じってきて…。
「このクラスで一番カッコいいのは
やっぱ陸だろ」
「そーかぁ?陸はカッコいいっていうより
可愛いじゃん。やっぱ一番カッコいいのは
日夏でしょ」
佐中世津(サナカ セツ)と宮下祐介(ミヤシタ ユウスケ)が楽しそうに話し始めた。
日夏…?
「日夏って?」
日夏が誰か分からなかった私は近くの女子に聞いた…つもりだったが…。
「あぁーそっか、ひなちゃん今日珍しく
休みだから知らないんだな。佐伯日夏(サエキ ヒナツ)同じクラスの男子だよ」
いつの間にか隣にいた小山が私に笑いかけながら答えてくれた。
ドキッ…。
初めて近くで見る小山の笑顔に、心臓が大きく跳ねたのが分かった。
「あっえ?…あ、えっと…ありがと…?」
「どういたしまして。…ははっなんで疑問形?」
「いや…だって…」
近くにいたのと、甘い香りが小山からしたことにびっくりしてうまく話せなかった。
「おもしろいね、浅中って」
そう言ってにこっと笑った小山に私はもうドキドキを隠せなかった。