ブルースター~過去の罪~
1章

4年後

~天百合高校~


「ん…?
まだ残ってたのか静海!」

「え…?

あっ、すぐ帰ります…。」


私…静海 蒼空(シズミソラ)は放課後、教室でぼうっとしてた所を担任に見つかった。


「近くで殺人事件があったから、早めに帰れって言っただろ?

いいな?」

「はい…。」


そうだった…。
早く帰らなきゃ…。



学校を出た近くで、先生の言ってた事件現場が見えてきた。


周りの野次馬の中に、ウチの生徒がちらほら見える。



…ちょっとだけ、なら……。



(空間サーチング!)


私は、その身に宿す“力”を発動した。


空間サーチングは、効果範囲内の空間のあらゆるモノの情報を解析し、知る事ができる。



簡単に言えば、解析能力が付いた透視。



物心ついた頃から使える、“普通じゃない力”……。



『被害者の名前は、茶木 響18歳…。

若いな、高3か。』



空間サーチングでシートの中の刑事達の会話が聞こえる。




『犯行時刻は、昨夜未明…。

犯人は被害者の頭部を殴り、胸部を十字に斬り、殺害。

そして、遺体の胸にこのカードを置いたかと。』



“罪人達よ
断罪の時だ”




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