【完】続・狼王〜全国一の暴走族とわたし〜
そしてニヤッと笑いながら手を離した。


「いいねぇ。その目。

俺が好きなのはその目だよ。」


満足そうに自分のソファーに戻っていく。


「……変態やろうが……はぁはぁ…」


そしてその夜は倉庫に泊まった。


斗真に抱き締められながら眠った。


斗真の温もりは嫌い。


けど今は誰かの温もりが欲しくて彼に縋ってしまった。


その時ふと感じたことがある。


斗真が抱き締める手は……恐怖を感じなかった。


何かを守るようにそっと強く抱き締めていた気がした。


まるでこの時を待っていたかのような……壊れ物をそっと扱うような…。


あなたは……何かを隠してる?


この時から斗真を疑うようになった。

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