神様修行はじめます! 其の三
「ちょっとマロ! あんたどういうつもりよ!」


あたしはビシッ!と指差して叫んだ。


「さん」付け期間終了!


相変わらず事情はまったく分からないけど、でも確実に敵だわこのマロ!


「謀反を起こそうっていうの!? そうはいかないからね!」


門川君を当主の座から引き摺り下ろそうとしたって、そうは問屋がおろさないよ!


あたしが・・・ううん、あたし達がそんな事させないから!


手強いよ! マロなんかが太刀打ちできる相手じゃないんだから!


「諦めなさい! おとなしく蹴鞠でもしてた方が身のためよ!」


「フッ・・・」


「・・・なにが『フッ』よ! なにが!」


カッコつけて鼻から空気漏らしてんじゃないっての!


あたしをバカにしてんの!? そっちこそマロのくせして!


もう頭きた! 見てなさい!


「天内の滅火の力を・・・!」

「よせ、天内君」


背後からの冷静沈着な声があたしを制した。


ヒンヤリとした手が、あたしの手をつかんで押さえる。

門川君?


「だって門川君、このマロは敵決定・・・」


「恐らくそうなのだろうが、だが、無駄だ」


・・・・・・無駄ってなにが?


「術が発動しない」


淡々と彼はそう言った。平静な声で、無表情に。


「え?」

「だから、言っているだろう? 結界のせいで術が発動できないんだよ」

「あ・・・」

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