神様修行はじめます! 其の三
「門川君はどんな対応してるの?」


あたしは平静を装って聞いた。


慌てちゃいけない。こんな時こそ、あたしが冷静にならなきゃ。


門川君だって、さぞ嫌な思いをしているだろう。


好きでもない女の子たちを、まるで試着室みたいに日替わりで当てられて。


でも、上層部の名だたる実力者たちを無碍にも出来ない。


これから協力し合って門川を率いていく人達なんだし。


今頃、板ばさみで辛い思いをしてるだろうな。


あの姿勢の良い姿で正座しながら、居心地の悪さにじっと耐えているだろう彼を思った。


かわいそう、門川君・・・。


「彼、大丈夫かな?」


「大丈夫じゃ・・・というか、何というか・・・」


「どうしたの? 何かあったの?」


「いや、何も無い。というか、無いからこそ問題とでも言うか・・・」


「なんなのよ? どうしたの?」


なんでそんな、さっきから奥歯に物が詰まったような言い方ばかりなわけ?


どうしたのよ絹糸?

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