神様修行はじめます! 其の三
・・・・・。
絹糸、ひょっとして。
馬車の中で千年前の事を「忘れた」って言ってたのは、あたしに気を使ってた?
あたしが、千年前の大罪と今の自分の状況を重ね合わせるのを見越してたから?
・・・・・。
お岩さんが絹糸を胸に抱き上げる。
「さすがベルベットちゃんですわ」
「ふん。小娘が落ち込むと潰れたバナナになるのでな。うっとうしいのは御免じゃ」
「アマンダ、千年前は千年前。今とは違いますわよ」
「・・・違わない。同じだよ」
「・・・・・」
「どこが違うのさ。門川は、この世界は、千年前と何も変わっていないよ」
絹糸とお岩さんが顔を見合わせる。
そして溜め息をつきながらお岩さんが絹糸をあたしの顔面にグイッと突き出すと・・・
― ビシィィッ! ―
とまた、絹糸の強~烈な猫パンチが鼻のてっぺんに炸裂ー!!
いってえぇ―――!!
しかも、爪たててなかった!? 今!
絶対これ、鼻の頭に赤い線が走ってるー!
「アマンダ、潰れたバナナは御免ですわ」
「バナナじゃなくって鼻が潰れてるんですけど!」
「忘れましたの? 門川を変えるといった自分の誓いを」
「・・・・・!」
あたしは鼻をつまみながら言葉に詰まった。
「そうよ。世界は変わっていない。だから変えると決めたのでしょう? わたくし達みんなで」
「お岩さん・・・」
「なのに、あなたがそんなでどうしますの?」
鼻をつまんだまま、俯く。
分かってる。あたし今、すっごく情けない状態になってる。
分かってるんだよ自分でも。
でもさ、でも。
門川君に迷惑かけるのだけは、彼を犠牲にするのだけは・・・嫌なんだよ!
千年前の悲惨な現実。
罪人の身内が辿った非業の末路。
門川君がそんな目に遭ったら・・・。
「あたし、そうなるぐらいなら、いっそ・・・!」
絹糸、ひょっとして。
馬車の中で千年前の事を「忘れた」って言ってたのは、あたしに気を使ってた?
あたしが、千年前の大罪と今の自分の状況を重ね合わせるのを見越してたから?
・・・・・。
お岩さんが絹糸を胸に抱き上げる。
「さすがベルベットちゃんですわ」
「ふん。小娘が落ち込むと潰れたバナナになるのでな。うっとうしいのは御免じゃ」
「アマンダ、千年前は千年前。今とは違いますわよ」
「・・・違わない。同じだよ」
「・・・・・」
「どこが違うのさ。門川は、この世界は、千年前と何も変わっていないよ」
絹糸とお岩さんが顔を見合わせる。
そして溜め息をつきながらお岩さんが絹糸をあたしの顔面にグイッと突き出すと・・・
― ビシィィッ! ―
とまた、絹糸の強~烈な猫パンチが鼻のてっぺんに炸裂ー!!
いってえぇ―――!!
しかも、爪たててなかった!? 今!
絶対これ、鼻の頭に赤い線が走ってるー!
「アマンダ、潰れたバナナは御免ですわ」
「バナナじゃなくって鼻が潰れてるんですけど!」
「忘れましたの? 門川を変えるといった自分の誓いを」
「・・・・・!」
あたしは鼻をつまみながら言葉に詰まった。
「そうよ。世界は変わっていない。だから変えると決めたのでしょう? わたくし達みんなで」
「お岩さん・・・」
「なのに、あなたがそんなでどうしますの?」
鼻をつまんだまま、俯く。
分かってる。あたし今、すっごく情けない状態になってる。
分かってるんだよ自分でも。
でもさ、でも。
門川君に迷惑かけるのだけは、彼を犠牲にするのだけは・・・嫌なんだよ!
千年前の悲惨な現実。
罪人の身内が辿った非業の末路。
門川君がそんな目に遭ったら・・・。
「あたし、そうなるぐらいなら、いっそ・・・!」