神様修行はじめます! 其の三
心の中で笑い飛ばして塔子さんの横を通り過ぎる。

擦れ違おうとした瞬間・・・


「お似合いだこと」


ぼそっと扇の陰から、聞こえよがしな呟きが漏れた。


思わず立ち止まるあたしに、塔子さんが薄目を開けながらまた呟く。


「端女と、人質をとられた惨めな飼い猫と、奴隷の赤鬼。まさにお似合いだわ」


・・・・・・はあ!?


ムッときた! 今のはかなり大量にムッときた!!


「ちょっとなによそれっ!?」


あたしの事はともかく、絹糸やしま子に対する暴言は絶対に聞き逃せない!


「キッチリ謝罪してもらいましょーか! 今ここで!」


目をむいて怒鳴るあたしに、乙女会は悲鳴をあげる。


「きゃああ、怖いぃ」

「あぁ、なんて恐ろしい顔!」

「まるで悪鬼のようだわ!」

「ほんとうにブサイク顔!」


・・・おいちょっと! 

どさくさに紛れて最後のセリフ言ったの誰!?


これ以上あたしを怒らせないでよ!


ここで滅火の力が暴走したら、あたし大量殺戮しちゃうじゃないの!

< 22 / 460 >

この作品をシェア

pagetop