神様修行はじめます! 其の三
攻撃と防御の狭間
あたし達は門川君の私室の、青々とした香りのする畳の上に立っていた。
足元の複雑な図形は音も無く、瞬く間に消滅する。
あー、やっぱり花火鳴らなかったな。
ってことは、あの時は本当に凍雨君の発動の仕方に問題があったんだ。
よく事故が起こらなかったなぁ。
あ、そういえば彼って落下したんだっけ。
危なー・・・。
今度会ったらよくよく注意しとかなきゃ。
「永久、血まみれの姿で現れては騒ぎになる。着替えるがよい」
「分かった」
「急げよ。当主が忽然と消えたので、皆が慌てておるやも知れぬ」
あたしと絹糸は部屋の外へ出て、彼の着替えを待った。
異形のモノ達の襲来は、まだここまで及んではいないらしい。
たぶん門番のムク犬ブラザーズが、張り切って結界を張ってくれてるお陰だろう。
今度現世に戻ったとき、ワンちゃん用ケーキでも買ってきてあげなきゃね。
「ねぇ絹糸、あそこにいた長老達、放っておいても大丈夫かな?」
あたしを雛型にする計画はもう諦めたんだろうか?
「永久にバレた時点で、もう諦めたであろうよ」
「でもさ、クドクドしつこく訴えてたじゃん」
当主さま!
どうか民のために天内の娘を生贄にぃぃ!っとか言って。
涙声ウルウル、さもさも必死っぽく。
「あれは牽制じゃよ」
「けんせい?」
「自分達を罰しようとしても、そうはいかぬ。真っ当な理由があってやった事なのだからな。という意思表示じゃ」
・・・・・なるほど。
ここで門川君が無理に連中を罪に問おうとすれば、また
『当主様は民の事や世界の事より、罪人の孫娘ばかりを大事にしている』
となるわけだ。
足元の複雑な図形は音も無く、瞬く間に消滅する。
あー、やっぱり花火鳴らなかったな。
ってことは、あの時は本当に凍雨君の発動の仕方に問題があったんだ。
よく事故が起こらなかったなぁ。
あ、そういえば彼って落下したんだっけ。
危なー・・・。
今度会ったらよくよく注意しとかなきゃ。
「永久、血まみれの姿で現れては騒ぎになる。着替えるがよい」
「分かった」
「急げよ。当主が忽然と消えたので、皆が慌てておるやも知れぬ」
あたしと絹糸は部屋の外へ出て、彼の着替えを待った。
異形のモノ達の襲来は、まだここまで及んではいないらしい。
たぶん門番のムク犬ブラザーズが、張り切って結界を張ってくれてるお陰だろう。
今度現世に戻ったとき、ワンちゃん用ケーキでも買ってきてあげなきゃね。
「ねぇ絹糸、あそこにいた長老達、放っておいても大丈夫かな?」
あたしを雛型にする計画はもう諦めたんだろうか?
「永久にバレた時点で、もう諦めたであろうよ」
「でもさ、クドクドしつこく訴えてたじゃん」
当主さま!
どうか民のために天内の娘を生贄にぃぃ!っとか言って。
涙声ウルウル、さもさも必死っぽく。
「あれは牽制じゃよ」
「けんせい?」
「自分達を罰しようとしても、そうはいかぬ。真っ当な理由があってやった事なのだからな。という意思表示じゃ」
・・・・・なるほど。
ここで門川君が無理に連中を罪に問おうとすれば、また
『当主様は民の事や世界の事より、罪人の孫娘ばかりを大事にしている』
となるわけだ。