神様修行はじめます! 其の三
んなぁ~~にが『きゃああ』よ。


あの奥方の遺伝子引き継いでるあんたが、この程度でビビるタマかっつーの。


「しま子は奴隷じゃない! 大切な仲間なんだ! それに絹糸だって子猫ちゃんだって、今では・・・!」


「小娘!」


「あ・・・・・・!」


あたしは飛び出しかけた言葉を慌てて飲み込んだ。


そ、そうだった。

人質として幽閉されていた子猫ちゃんは、権田原の歴代当主のおかげで解放されている。


でもそれは内緒の話なんだ。


表向きは、権田原は上層部の命令通りに、今でも幽閉を続けている事になっている。


命令違反がバレたらお岩さんが罰を受けてしまう。


子猫ちゃんも、別の一族に預けられてまた幽閉されてしまうかもしれない。


「絹糸が? なんなの? 里緒、言いなさい」


「・・・・・」


「言えないの? 後ろめたい事でもあるのかしら?」


「・・・・・」


「どうなの? 黙ってないで何か言いなさい」


あたしは何も言えず、ますます唇を強く噛む。


ただ俯いて床の木目を見つめるばかりだ。

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