神様修行はじめます! 其の三
ひと重の両目がニンマリ笑う。


「か弱い乙女に乱暴するの? しつけの行き届かない猫は、お仕置きが与えられるでしょう」


「・・・・・・・・・・・・」


「当然、その子どもにもね。おほほほ・・・」


優越感に満ちた笑い声。


絹糸は美しい毛並みをざわつかせて、それでもなんとか踏みとどまった。


あたしはうつむき、下から刺すような視線を彼女に浴びせる。


どーこーが、か弱い乙女だってぇ!?


あぁもう、なんでこう、奥方の血縁って根性悪いのばっかなの!?


遺伝か!? DNAのらせん構造が突然変異おこしてんのか!? 


この特異体質一族め!


「がああっ!!」


しま子が唸り声を上げて乙女会の連中に牙を剥いた。


あたしと絹糸の様子を見て、この連中は敵だと判断してしまったらしい。


事実、敵だけど。


乙女会がまた、わざとらしくきゃあきゃあと悲鳴を上げる。


「なんなの、この鬼は! 使役されているのに牙を剥いてくるなんて!」


「見るからに普通ではないわ! しかも花柄はんてん姿の鬼なんて!」


「ありえないでしょう! 明らかに異常なセンスよ!」


・・・悪かったね! ありえないほど異常なセンスで!

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