神様修行はじめます! 其の三
挑発してあたし達に騒ぎを起こさせようとしてるんだろうけど。


どっこい、その手にゃ乗らないもんね。


彼を守るためならいくらでも耐えられる。


猫の皮でもヒツジの皮でも、何でも被ってやる。


ミケの皮でも、ラマの皮でも、アルパカの皮でも、なんでもござれよ。


そんで、いつか反撃できる日が来た時・・・


覚ぉぼぉえぇてぇろぉよおぉ~~!!


その時こそ、三毛とアルパカの皮を脱ぎ捨てた女の、積年の恨みを思い知れ!!

ふはははは!


「とにかく今、忙しいし急いでいるので」


あたしはそう言ってヒョイッと絹糸を抱き上げた。


「行こ、しま子。おいで」


まだ唸っているしま子をうながし、スタコラとその場を立ち去る。


三十六計逃げるにしかず。

撤退だってね、立派な戦法よ。


わざわざ追いかけてきて、いつまでもネトネト絡み付きもしないでしょ?


・・・やるかもしれないけど。塔子さんなら。


なんたってヘビの化身みたいな性格だし。この人。


「待ちなさい、里緒」


背中から塔子さんの声が追いかけてくる。

うわ、しつこ。やっぱりヘビだ。


でも待てと言われて素直に待つほど、あたし可愛い性格じゃーありませーん。

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