神様修行はじめます! 其の三
えっ!?

あたしは周囲を見渡して警戒した。


どこ!? どこにいるの!?


「小娘、前を見よ」


言われた通りに見ると、はるか前方に何か、黒い点々みたいなのが。


固まって空を飛んでる? あれってカラスの群れ?


やだ、今日って可燃ゴミの日なの? あそこってゴミの収集場・・・・・


・・・・・・


じゃ、ない!

あそこは、端境一族の屋敷だ!


端境の広大な敷地の上空を、黒い鳥みたいな異形のモノが埋め尽くしているんだ。


なにあの尋常じゃない数。真っ黒な巨大な大雲に覆われてるみたい。


異常大量発生! 気色悪くて鳥肌が立つ~!


しかもあいつら、ただ飛んでるだけじゃない。


屋敷を襲って、片っ端から破壊行為の絶賛展開中じゃん!


「なんなのー!? あれ!」


「端境が異形のモノの大群に襲われておるようじゃの」


「だって端境って結界張れるんでしょ!?」


「事情は分からぬが、どうやら結界は機能しておらぬようじゃ」


ようじゃって・・・。


あれ、ちょっと凄すぎない? 集中砲火だよ。


結界が機能してないなら攻撃は空からだけじゃないはずだ。


じゃあ今頃、敷地内は一体どうなってるの?


「あまり想像したくないのぉ・・・」


「別に想像する必要は無い。どうせすぐ目にする事になる」


門川君の冷静沈着な言葉に、絹糸はやれやれと首を振る。


そ・・・そーでした。あたし達これからあそこに行かなきゃならないんでした。


うっわー。よりにもよって一番ヤバそーな状況下に。


行く? 行っちゃう?

正直言って、すんごく行きたくないんですけど。


雛型だけ呼び出して、屋敷から出てきてもらうわけにいかないかな~?


「いくわけないだろう」

「・・・だよね」


すんません。分かってたけどちょっと言ってみたかったんです。

< 284 / 460 >

この作品をシェア

pagetop