神様修行はじめます! 其の三
大きさは、せいぜいカラス程度。


ただ・・・顔が怖いっ。普通の鳥の顔じゃないっ。


薄青い地色の肌が、妙~に平べったい形で横に大きく広がってる。


その変形ぶりだけでも許せないのに、正面のド真ん中についてる両目がギンギンに血走ってる。


しかも人間の目にそっくり~。

ひー、グロテスク。


しかも大きさが極端に違うところが、ホラー感たっぷり。


凶器のクチバシは、これまたご立派なのがついちゃって。


迫力満点、威圧感満載。あれはかなりの破壊力を秘めているとみた。


― ギャッ! ギャッ! ―


クチバシをこれ見よがしに大きく開き、鳥たちはこちらに真っ直ぐ飛んでくる。


来んの? やっぱこっち来んの? 

来なくていいって!


なんかあんたら、全員であたしを集中的に凝視してない? 

うわ、目が合っちゃったー!


― キーン! ―


目前まで迫られたところで、鳥たちの体が薄い氷の膜に覆われた。


透明の膜に包まれた鳥の置物のように、音も無く次々と落下していく。


うおっ、やったー!


「凍雨君、ありがとう!」


背後で印を組んでいる凍雨君にお礼を言った。


危なかった。あいつら絶対、あたしに狙い付けてた。


「いえ、下位クラスのやつらだったから、ぼくでも倒せました」


照れながらそう言ってる凍雨君の目が、キョトンと開かれて・・・


みるみると、頬がヒクつき始めた。


なに? どしたの凍雨く・・・・・


― ギャッ! ギャッ! ギャッ! ―

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