神様修行はじめます! 其の三
盛大な、ダミ声の大合唱。

・・・なんでしょう?


あの、もんのっすごく不吉な感じの不協和音は。


あたしの背後、ヒクつく凍雨君の視線の先。恐る恐る振り返ると・・・


「ぎゃあぁ―――っ!?」


不吉な予感、大的中―――!


鳥肌が立ちそうなほどの、無数の黒い大群が一斉にこっちに向かってくる。


黒い山の峰が襲い掛かってくるかのようだ。


なんなのよ! ヌーの大群かお前等は!


「ぎゃー! ぎゃー! こっち来んなー!」


「天内君、いちおう忠告させてもらうが、そう言う君があの連中を引き寄せているんだよ」


「ぎゃー! ・・・え?」


あたしが連中を引き寄せてる?


冗談でしょ!? 

引き寄せるどころか、宇宙の最果てで藻屑になりやがれ!ってなぐらいなのに!


「ふむ。やつらは弱点に集中する性質がある」


「君のその、見ていて面白いほどのパニックぶりが餌になっているんだよ」


「まき餌と一緒じゃのぉ」


まき餌って・・・

あんなクチバシ、餌付けする義理も趣味も無い!


なのに・・・うわーん、やっぱりあたしを狙ってるのー!?


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