神様修行はじめます! 其の三
―― ほほほ・・・

魔犬と戦うあたし達の耳に、甲高い笑い声が届いた。


見上げれば、マロが遥か高い門の上に立ち、天を見上げて高笑いをしている。


その姿を見たあたしの胸は、締め付けられるように痛んだ。


今までずっとずっと利用されて、苦んで、苦しんで、苦しみ抜いて。


やっとの事で、癒しと救いの光を見つける事ができたのに。


最後の最後で、また門川に利用されてしまった。


このままじゃ、今度こそ端境一族は滅亡だ。


でもあたし達はマロに、端境一族のみんなに誓ったんだ。


きっと彼らを幸せの道へ導くと。

諦めはしないと。共に未来を信じて進もうと。


端境一族を、あの場所に留まらせたまま終わりにはしない!


断じてそんな真似させないぞ!

おい聞こえてるか強欲因業ババー!


「マロ―――!」


戦いながら、あたしはマロに向かって声を張り上げた。


「待ってて! 絶対、絶対助けるからねー!」


操られたマロの唇が放つ笑い声。

それは、蜘蛛の糸を通した因業ババの嘲笑だ。


門川君を、そして端境を、『愚か者め』と蔑み哂う、あざけりの声だ。

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