神様修行はじめます! 其の三
「塔子さん、塔子さん、塔子さ・・・」

涙が、眼球が熱くて熱くて、痛くてたまらない。

鼻の奥がジリジリと焼けるように痺れる。

胸が、今にも張り裂けそうだ。

哀しくて哀しくて、どうしようもなくて、心臓が張り裂けそうだ!


ごめんなさいね、って、言った。

塔子さん、謝った。

最後に、あたしに謝って、逝った。

最期の言葉が『ごめんなさい』だなんて。

そんなのないよ、塔子さん。

なんにも悪くない塔子さんに謝られて、それで、死なれてしまったら・・・。

あたし、どうすればいいの?

あなたの謝罪を、どうすればいいのさ。

受け入れることのできない、最期の言葉を持て余したまま、途方に暮れて、あなたの最期の瞬間を記憶にとどめ続けるの?


ごめんねって謝られたまま

拒否することも

受け入れることも

怒ることも

笑うことも

なにもできず、なにも返せずに

あなたを救うことの叶わなかったあたしは、このままずっと、生き続けていくの?

そんなの・・・ないよぉ・・・


泣き声が枯れ、ひぃひぃと細い笛の音のように鳴る。

声は枯れても、涙は枯れない。

眼球が傷付きそうなほど熱い涙が、次々とこぼれ落ち、頬を伝って地面に吸われる。


そんなのないよ。
こんなの嫌だよ、塔子さん。

言い逃げなんて、ずるいよぉ・・・。

塔子さぁん・・・・・。

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