神様修行はじめます! 其の三
みんな仲良く揃ってゾロゾロ歩き出す背中に、裏返った叫び声が投げられた。
「・・・・・・ちょっと!!」
塔子さんがピクピクと頬を引きつらせて叫んでる。
「話の最中なのに、完全放置!? 失礼にもほどがあるわ!」
・・・・・・あ。
すっかり忘れてた。この人の事。
そういえばかなりシリアスな状況だった。
お岩さん旋風で、一気にそんな空気も何も吹っ飛んじゃったけど。
「まあ塔子さん。お久しぶりですわ」
お岩さんが大量のフリルに飾られた胸を張り、一歩前へ出る。
「お元気でいらしたかしら?」
「・・・お久しゅうございます。権田原当主様」
塔子さんが一変して無表情を装い、丁寧にお辞儀をする。
乙女会の皆が揃って深々と腰を曲げた。
そっか。お岩さんも以前は乙女会の一員だったんだ。
その頃は、年長の塔子さんの方が権力者だったんだろうな。
今では一族の当主に就任したお岩さんの方が立場が上だけど。
「お変わりないようね。何よりですわ」
「権田原当主様も、相変わらずの・・・」
塔子さんが頭を下げたまま、チラッと視線を上げる。
「大変に素晴らしいご洋装。感服いたします・・・」
そしてクスッと口元を曲げた。
「ありがとう。塔子さんも素晴らしいですわ。その『振袖』」
「おほめにあずかりまして・・・」
「毎年毎年、必ず新調なさるのでしょう? 『振袖』を」
「・・・はい」
「歳を重ねるごとに、豪華な『振袖』になりますわね」
「・・・・・・・・・・・・」
「毎年、拝見するのが楽しみでしたわ。あなたの新調した『振袖』を」
「・・・・・・ちょっと!!」
塔子さんがピクピクと頬を引きつらせて叫んでる。
「話の最中なのに、完全放置!? 失礼にもほどがあるわ!」
・・・・・・あ。
すっかり忘れてた。この人の事。
そういえばかなりシリアスな状況だった。
お岩さん旋風で、一気にそんな空気も何も吹っ飛んじゃったけど。
「まあ塔子さん。お久しぶりですわ」
お岩さんが大量のフリルに飾られた胸を張り、一歩前へ出る。
「お元気でいらしたかしら?」
「・・・お久しゅうございます。権田原当主様」
塔子さんが一変して無表情を装い、丁寧にお辞儀をする。
乙女会の皆が揃って深々と腰を曲げた。
そっか。お岩さんも以前は乙女会の一員だったんだ。
その頃は、年長の塔子さんの方が権力者だったんだろうな。
今では一族の当主に就任したお岩さんの方が立場が上だけど。
「お変わりないようね。何よりですわ」
「権田原当主様も、相変わらずの・・・」
塔子さんが頭を下げたまま、チラッと視線を上げる。
「大変に素晴らしいご洋装。感服いたします・・・」
そしてクスッと口元を曲げた。
「ありがとう。塔子さんも素晴らしいですわ。その『振袖』」
「おほめにあずかりまして・・・」
「毎年毎年、必ず新調なさるのでしょう? 『振袖』を」
「・・・はい」
「歳を重ねるごとに、豪華な『振袖』になりますわね」
「・・・・・・・・・・・・」
「毎年、拝見するのが楽しみでしたわ。あなたの新調した『振袖』を」