神様修行はじめます! 其の三
「待たせた。行こうか」
着替えを終えた門川君が襖を開けて出てきた。
着流しから羽織袴に着替えている。
上下とも薄墨色の、無地で質素な出で立ちだけど、門川の紋が染め抜きで入っている。
生地がまぁ、上品に艶光りして綺麗なこと!
門川君てホント、こういう抑え目な和服が似合うんだよねぇ。
顔が見事に綺麗な分、衣装は控えめな方がいいのよね。
ほれぼれしちゃうよまったくもう。
門川君を先頭に、廊下を進んで行った。すると・・・
「当主様、しばしお待ちくださいませ」
前方に袴姿のオヤジ達が数人、廊下の真ん中に陣取って待ち構えていた。
絹糸が「来たか・・・」と小さく息を吐く。
門川君は無表情で歩みを止めた。
「端境の一族の元へお出ましになるとの事、聞き及びました」
「なりません! なりませんぞ当主様!」
「さあ、お部屋にお戻りを。当主様には一刻も早く奥方を決めていただかなければ」
やいのやいのと言い募り、門川君を部屋へ戻そうとする。
あたしは心の中で溜め息をついた。
だーかーらー。
嫁選びよりも、こっちの方がよほど大事でしょうが。
あんたらの優先順位って何が基準なのよ。
そんなに見たいか。自分の娘の花嫁姿が。
「僕は、行く必要があるから行くと言っているのだ」
それに対して門川君はあくまで淡々と返答する。
その堂々とした大人びた態度が、あたしにはとても頼もしく見えた。
でも袴オヤジ軍団は、そんな彼を一笑に付す。
着替えを終えた門川君が襖を開けて出てきた。
着流しから羽織袴に着替えている。
上下とも薄墨色の、無地で質素な出で立ちだけど、門川の紋が染め抜きで入っている。
生地がまぁ、上品に艶光りして綺麗なこと!
門川君てホント、こういう抑え目な和服が似合うんだよねぇ。
顔が見事に綺麗な分、衣装は控えめな方がいいのよね。
ほれぼれしちゃうよまったくもう。
門川君を先頭に、廊下を進んで行った。すると・・・
「当主様、しばしお待ちくださいませ」
前方に袴姿のオヤジ達が数人、廊下の真ん中に陣取って待ち構えていた。
絹糸が「来たか・・・」と小さく息を吐く。
門川君は無表情で歩みを止めた。
「端境の一族の元へお出ましになるとの事、聞き及びました」
「なりません! なりませんぞ当主様!」
「さあ、お部屋にお戻りを。当主様には一刻も早く奥方を決めていただかなければ」
やいのやいのと言い募り、門川君を部屋へ戻そうとする。
あたしは心の中で溜め息をついた。
だーかーらー。
嫁選びよりも、こっちの方がよほど大事でしょうが。
あんたらの優先順位って何が基準なのよ。
そんなに見たいか。自分の娘の花嫁姿が。
「僕は、行く必要があるから行くと言っているのだ」
それに対して門川君はあくまで淡々と返答する。
その堂々とした大人びた態度が、あたしにはとても頼もしく見えた。
でも袴オヤジ軍団は、そんな彼を一笑に付す。