神様修行はじめます! 其の三
袴オヤジ集団たちの顔から、笑いが引っ込んだ。
「当主様?」
「退け」
「・・・当主様、我々はですな・・・」
「お前達、これ以上永久を怒らせるでないわ。凍死してしまう」
絹糸が冷気の中で毛並みを膨らませながら言う。
「お前達が死ぬのは一向にかまわぬが、我は巻き添えをくらう気はないのでな」
オヤジ軍団は一瞬だけ絹糸に視線を投げ、すぐに無視して門川君に話しかけた。
「よろしいですか? 当主にとって決まり事というものは・・・」
「決まり事がきいて呆れるわ。永久は当主じゃぞ?」」
「なんだと? そんな事は当然知っておる」
「その当主の前に平伏もせず、でーんと立ちはだかるなどお前ら何様じゃ? 無礼にもほどがあろう」
オヤジ軍団は再び顔を見合わせる。
バツが悪そうな表情で。
そして、そそくさと彼の前から移動した。
ほーら見なさいよ!
彼の事を心の中で見くびっているから、そういうところで思わず本音がボロッと出るのよ!
遮るものが無くなった門川君は、ゆっくり前へ進みだした。
オヤジ軍団は、まだ未練がましく手を差し出して止めようとする。
「お待ち下さい!」
「お前らしつこいわ。行くと言うものは行かせれば良い」
「口を挟むな! 絹糸!」
「嫁探し以外の当主らしい仕事もさせてやれ。お前らはあまりに永久を軽んじ過ぎる」
「なんだと!?」
オヤジ軍団がいきり立った。
「我々は当主様のためを思っているのだ!」
「ここで御無理を通せば、後で困るのは当主様ご自身なのだぞ!?」
「だいたい、お前がついていながらなんだ!? この有様は!」
「当主様?」
「退け」
「・・・当主様、我々はですな・・・」
「お前達、これ以上永久を怒らせるでないわ。凍死してしまう」
絹糸が冷気の中で毛並みを膨らませながら言う。
「お前達が死ぬのは一向にかまわぬが、我は巻き添えをくらう気はないのでな」
オヤジ軍団は一瞬だけ絹糸に視線を投げ、すぐに無視して門川君に話しかけた。
「よろしいですか? 当主にとって決まり事というものは・・・」
「決まり事がきいて呆れるわ。永久は当主じゃぞ?」」
「なんだと? そんな事は当然知っておる」
「その当主の前に平伏もせず、でーんと立ちはだかるなどお前ら何様じゃ? 無礼にもほどがあろう」
オヤジ軍団は再び顔を見合わせる。
バツが悪そうな表情で。
そして、そそくさと彼の前から移動した。
ほーら見なさいよ!
彼の事を心の中で見くびっているから、そういうところで思わず本音がボロッと出るのよ!
遮るものが無くなった門川君は、ゆっくり前へ進みだした。
オヤジ軍団は、まだ未練がましく手を差し出して止めようとする。
「お待ち下さい!」
「お前らしつこいわ。行くと言うものは行かせれば良い」
「口を挟むな! 絹糸!」
「嫁探し以外の当主らしい仕事もさせてやれ。お前らはあまりに永久を軽んじ過ぎる」
「なんだと!?」
オヤジ軍団がいきり立った。
「我々は当主様のためを思っているのだ!」
「ここで御無理を通せば、後で困るのは当主様ご自身なのだぞ!?」
「だいたい、お前がついていながらなんだ!? この有様は!」