神様修行はじめます! 其の三
よおぉぉぉ―――っし!!

あたしは腰の後ろで、密かに勝利の握りこぶしをグッっと握った。


良かった! なんとか話がまとまった!


これで門川君の外出もOKだよね!?


この子が味方してくれたお陰だなぁ。凍雨君、だっけ?


門川君のお母さんと同じ氷血の一族か。


だからあの凄い冷気の中でもへっちゃらだったんだね。


この子って門川君にとっては身内同然だよね。


母方の親戚みたいなもんだもんね。


嬉しいなぁ・・・! 味方だよー! 味方ぁーっ!


まだ子どもだし、門川内部でそれほど大きな影響力は持っていないだろうけど。


でも味方をしてくれる人が増えるのは純粋に嬉しい!


しかも、門川君と少しでも血が繋がってそうな味方!


彼、今までほんと天涯孤独状態だったもんね。


・・・良かったね! 門川君!!


門川君は頭を下げているオヤジ達に向かって淡々と話す。


「大袈裟にしたくない。絹糸と、天内君、しま子、権田原当主とセバスチャン、この者達だけで行く」


「当主様、この者共などよりも我等が正式に選んだ者を・・・」


「お前ら、大袈裟にすると責任の所在にまで話が大きくなりかねんぞ? それでも良いのか?」


「ご無事のお帰りをお祈り申し上げます。当主様」


絹糸の『責任の所在』の一発がてきめんに効いて、オヤジ軍団は黙ってしまった。


やれやれ、これで良いのか悪いのか。

頭の痛いオヤジ軍団だなぁ。はぁ・・・。

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