神様修行はじめます! 其の三
彼は何でもない顔であたしの言葉を聞き、そしてそのままふぃっと前を向く。
「当然だよ。君は大切な友達のひとりだ」
あぁ・・・
あたしは胸を手で押さえ、ちょっとだけ感じる痛みに耐えた。
これもまた、相変わらず。
この何とも言い難い、もどかしい感情も。
いつになったら彼は気付いてくれるのかな。
このままじゃ、気付かれないまま・・・
本当に、友達になってしまいそうな気がして少し怖い。
そしてあたしはこの胸の痛みを抱えながら、彼の結婚式に出席する事になりそうな気がする。
それは・・・耐えられないほどに怖い。
怖いんだ・・・。
つい沈みがちなあたしの表情を見ていた絹糸が、さり気なく凍雨君に声をかける。
「お前、名をなんといったかの?」
「はい。凍雨と申します」
「我は絹糸じゃ」
「はい。お初にお目にかかります。なにとぞおみゅ、お、お見知りおき・・・」
「あぁ、よいよい。普通に話せばよいわ」
「は、はい。すみません・・・」
凍雨君の白い頬が恥ずかしそうに染まった。
・・・ふふ、可愛いなぁ。
覚えがある。あたしも入試の面接練習の時には敬語に苦労したっけ。
舌が痙攣しそうだったな。
・・・どれ! あたしも自己紹介しなきゃね!
あたしは元気に片手を挙げ、笑顔で話しかけた。
「あたしは天内里緒だよ! どうぞよろしくね!」
「うあぁ! うああ~~!」
「あ、この子はね、しま子っていうの! すっごい可愛いでしょ~!?」
「は・・・はい。かわいい、です・・・」
「小娘、お前の感性を強要するでないわ。小僧が気の毒じゃろうが」
「当然だよ。君は大切な友達のひとりだ」
あぁ・・・
あたしは胸を手で押さえ、ちょっとだけ感じる痛みに耐えた。
これもまた、相変わらず。
この何とも言い難い、もどかしい感情も。
いつになったら彼は気付いてくれるのかな。
このままじゃ、気付かれないまま・・・
本当に、友達になってしまいそうな気がして少し怖い。
そしてあたしはこの胸の痛みを抱えながら、彼の結婚式に出席する事になりそうな気がする。
それは・・・耐えられないほどに怖い。
怖いんだ・・・。
つい沈みがちなあたしの表情を見ていた絹糸が、さり気なく凍雨君に声をかける。
「お前、名をなんといったかの?」
「はい。凍雨と申します」
「我は絹糸じゃ」
「はい。お初にお目にかかります。なにとぞおみゅ、お、お見知りおき・・・」
「あぁ、よいよい。普通に話せばよいわ」
「は、はい。すみません・・・」
凍雨君の白い頬が恥ずかしそうに染まった。
・・・ふふ、可愛いなぁ。
覚えがある。あたしも入試の面接練習の時には敬語に苦労したっけ。
舌が痙攣しそうだったな。
・・・どれ! あたしも自己紹介しなきゃね!
あたしは元気に片手を挙げ、笑顔で話しかけた。
「あたしは天内里緒だよ! どうぞよろしくね!」
「うあぁ! うああ~~!」
「あ、この子はね、しま子っていうの! すっごい可愛いでしょ~!?」
「は・・・はい。かわいい、です・・・」
「小娘、お前の感性を強要するでないわ。小僧が気の毒じゃろうが」