ナンパ男との恋【番外編】
*大人
結局、10個にも満たない
ダンボールのみの
引越しで
新しく住むマンションに入ると
家具の設置も、
生活する上で欠かせない
電気、水道など
すべてが 完全に準備されていて
私は、食器を 棚に直し
服をクローゼットに直すだけで
引越しというものは
終わってしまった。
その時間 わずか
1時間・・・・・。
そうだ、隣の人とかに
挨拶しに行かなくちゃ・・・
そう思い、
輝樹のいる部屋へ行くと
「おっ、終わったか?」
「うん・・?」
「じゃあ、挨拶でもしとくか」
そう言いながら
紙袋から 何かを取り出すと
「ほら、これ渡せ」
「これって・・・」
「ん?あぁ・・・・
何あげるのか
よく分かんねぇから
無難に 菓子にしといた」
やっぱ・・・
輝樹って 私が思って以上に
大人なんだなぁ・・・
とか考えてしまうと
少し、自分の大人になりきれてない自分というものが悲しくなってくる・・・