ナンパ男との恋【番外編】
苦笑いを浮かべながら
そんな事言われると
何て言えばいいのか、
どう言えば自分の気持ちが伝わるのか
考えても分かんなくて・・・
ただ、一つだけ
私に言える事があるとすれば
「紙切れ一枚だって
私は 輝樹と繋がってられるなら
幸せだけどね・・・」
何もないより
一つでもあった方がいい。
何か一つでも
目に見える安心があれば
それだけ不安も少なくなる。
「輝樹は 違うの?」
そう言いながら
輝樹の顔を覗きこむ私に
少し笑い、
「春菜から
そんな言葉が聞けるとはな。
そうだな、
俺のもんだって証拠にもなるしな?」
「うん」
考えてみたら
私が成長する一番重要な過程を
輝樹は見てきてるのかもしれない。
そう考えると
少しだけ
輝樹の中の複雑な思いが見えた気がした。