夕凪
先生を見て、皆が席につく。
背が低くて太っている男の先生。
「担任デブだね。」
隣の圭介がボソッと言った。
『そうだね。』
担任は自己紹介のあと、明日の予定を黒板に書きながら話している。
「見て。手がクリームパンみたい。」
また聞こえる隣からの声。
誰か。この男を黙らせてください。
『そうだね。』
担任はまた正面を向き、話し続ける。
「あ。汗かいてる。まだ4月なのに。」
誰か。隣の人を消してください。
『そうだね。』
「ほら。ワキ汗すごいよ。シャツの色変わってる。」
『そうだね。』
「いやー。夏の教室が心配だな。」