夕凪

ベットの上で彼に腕枕をされたままウトウトしていたとき。

「茉咲、まだ進路考えてなかったの?」

彼は私の頭を撫でながら眠そうな声を出す。


『…うん。なんか皆ちゃんと考えててびっくりした。進学はしたいと思ってるけど。』


「そう。ゆっくりでいいんじゃない。まだ2年になったばっかだし。」


彼はそのまま目を閉じて眠りについた。


自分は、まだ子供なのかな。

今日、皆の話を聞いて思った。

里奈と圭介は就職すると言っていたけど、私は正直まだまだ学生でいたい。

かといって、やりたいことがあるわけでもない。

嬉しそうに将来を語る颯太や、具体的には聞かなかったけど皆も進学を考えていたり。


焦りと不安を抱えたまま、彼の寝顔を眺めながらそんなことを考えていた。
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