夕凪
2階に上がり悠斗の部屋に入ると、彼はベットの上に寝転んでいた。
『悠斗。』
彼は私に気付くと、読んでいた雑誌を床に置いて
優しい顔で両手を広げた。
隣に寝転ぶと、彼はギュッと私を抱き締めた。
「ちょっと、キツかったかな。」
『かもね。』
「あいつ情けないこと言うから。」
彼がどんな表情でそう言ったのかは分からなかった。
だけど、私を抱き締める腕から
彼の言いたいことは言葉にしなくても伝わった。